世界史(中国皇帝編8)曹丕(曹操)

奇数週木曜更新　世界史　中国皇帝編。今日は曹丕 (在位220~226)後漢末期、中国大陸は魏・呉・蜀に三分される(三国時代)が、その中でも華北をほぼ支配していた魏が一番勢力が強かったといわれる。(写真は横山光輝　三国志のぼりより)

テストに出るポイント

①魏は曹操の子曹丕(そうひ)が建国→後漢の皇帝(献帝)から建前上の禅譲を受けた曹丕が皇帝となる。都は洛陽。

②屯田制の実施→曹操の時に始まる。まだ農地化されていない荒廃地を農民に割り振って開拓・耕作をさせることで税収を増加させる制度。日本で明治時代初めに北海道を開拓したのも屯田兵である。北魏(三国→晋→北魏(北朝))の均田制→すでに農地化されている土地を農民に分け与えることで税収を安定させる制度、と区別する。

③九品中正法→地方に中正官をおき人材を9等級に分けて推薦させる制度。人材にランクをつけてから採用しそれに応じた仕事をさせるものだが、豪族による上級官職独占につながり貴族階級の形成につながった。「上品に寒門なく下品に勢族なし」という言葉は、上級身分と下級身分の入れ替わりはまず起こらないということをたとえている。中国の官吏(役人)登用法は郷挙里選(漢)(世界史中国皇帝編5③武帝　参照)→九品中正法(魏)→科挙(隋～清の途中、元除く)と覚える。

曹丕は魏の初代皇帝であるが実際は父の曹操が作り上げたといっていい。呉の孫権は「曹丕は曹操には万事及ばない。」蜀の劉備が白帝城で危篤の時、丞相の諸葛孔明に「そなたの才は曹丕の10倍ある。」と語られている。しかし、曹丕は曹操のような英雄ではないが、そこそこ能力のある皇帝ではあったともいえる。