世界史(中国皇帝編41)康煕帝(後半)

奇数週更新　世界史中国皇帝編　今日も康熙帝

①ネルチンスク条約調印(1689)→黒竜江(アムール川)沿いに南進していたロシアと戦い、ロシアのピョートル大帝と国境を結ぶ　アルグン川とスタノボイ山脈(外興安嶺:がいこうあんれい)を両国の国境とした　中国は周辺国に対して朝貢体制をとるのが基本だが、ロシアに対してはイエズス会士も通訳として会議に参加し、ヨーロッパの国際法準拠した対等の形式で条約が結ばれた。

②地丁銀制の実施→丁税(人頭税)が土地税にくみこまれて制度の簡略化が図られる。丁税をなくし、土地税が上がることになった、明は一条便法(世界史中国皇帝編37万暦帝①参照)、清は地丁銀制と区別するのがポイント

③典礼問題→キリスト教の布教にあたったイエズス会の宣教師は、その布教を進めるうえで、中国の習慣や習俗をある程度認め、信徒に対しても孔子の礼拝や祖先の祭祀（つまり典礼）を行っていてもよい、としていた。その方法が功を奏し、イエズス会は中国における伝道を一手に独占していたが、後から中国布教を目指したフランチェスコ会、ドミニコ会などの修道会は、イエズス会のそのような布教方法は神を冒涜することで間違っているとローマ教皇に訴えた。この問題が「典礼問題」であり、康熙帝は典礼を認めるイエズス会でなければ中国での布教を認めないとしたのである。